・分野: | 学習成果 |
・講師: | 芦沢真五(東洋大学国際学部 教授) |
池田佳子(関西大学国際部 教授) |
本セッション概要
サービスラーニング、職業体験プログラム、バーチャルな海外との交流を取り込んだ国際教育、課題解決型・プロジェクト型学習形式の授業など、国際教育の学びの在り方が多様化する中、参加する学生の学習効果を可視化し、その効果を検証する必要性がさらに高まっています。本セッションでは、はじめに多様な形態の国際教育プログラムが台頭してきた背景と世界的な動向について紹介します。また、海外学習で活動記録などを集積し、学習者自身が活動を反芻し学びを昇華する過程を促すためのツールとしてポートフォリオの活用事例を紹介していきます。さらに「オンライン国際交流学習(COIL/Collaborative Online International Learning)」という教育メソッドを取り上げ、オンライン共同教育と従来型の海外学習をどう融合させ、学習成果を高めていく手法について検証していきます。海外との交流の中で展開する学びのプロセスをどのように記録し、その履歴をどのように評価するのか、について参加者とともに考えていきます。
本セッションの達成目標
参加者に、以下の学習成果をもたらすことを目標とする。
- 多様な海外学習の形態と実例について知見を深める。
- 学習成果を可視化する手段として、ポートフォリオ活用法の事例を学び、個々の教育機関に適合した利用方法を考察する。
- オンライン国際交流学習(COIL)をはじめとした、IT技術を活用し、海外と国内をつなぎ進める国際教育の実践について理解する。学習者の身近にあり、授業の中で国際教育を促進する上で役立つウェブツールについての理解を深める。
- 海外学習に参加した学生のパフォーマンス評価、学習効果の検証について考え、多様な学習成果分析の手法を学ぶ。
本セッションの主な内容
本セッションでは、主に以下の4点に取り組みます。
- 多様化する海外学習プログラムと、学生の学びの成果を分析する手法について学び、グループワークなどを通じて理解を深めていく。
- 実際にポートフォリオの活用例を学び、メリットと課題について意見交換する。
- ウェブツールを実際に体験し、それらを活用した教育メソッドを用いて海外の大学の科目と連携する際に直面する課題を明確化する。
- グループワークを通じて、個々の大学などの機関が直面する諸問題を取りあげ、効果的な学習成果の手法を探る。
対象者
大学などの高等教育機関関係者(特に国際教育・異文化交流分野で、教育プログラムの企画、開発、実施、評価にかかわる業務を担当する教職員)、国際教育にかかわる職業を目指す方(学生など)。
COILとは
ウェブツールを用いて、海外の大学で開講される科目と国内の科目間で学習者をつなぎ、様々な協働学習を行う国際交流学習の教育メソッドです。ニューヨーク州立大学で10数年前に始まり、日本国内でも2014年からは関西大学で大学全体のカリキュラムプログラムとして導入を行いました。2018年から日米間における世界展開事業としても、本メソッドを活用した国際教育が推進されることになっています。
参考URL:
Rubin, Jon, “Embedding Collaborative Online International Learning (COIL) at Higher Education Institutions,” Internationalization of Higher Education, 2 International Association of Universities, 2017.
https://www.handbook-internationalisation.com
Ward, Heather, “Connecting Classrooms: Using Online Technology to Deliver Global Learning,” Internationalization in Action, American Council on Education, 2016.
http://www.acenet.edu/news-room/Documents/Connecting-Classrooms-Using-Online-Technology-to-Deliver-Global-Learning.pdf